2026年8月10日(月)、ミッドランドスクエア シネマにて、映画パーソナリティ・松岡ひとみが主宰する人気トークイベント

【松岡ひとみのシネマコネクション VOL.102】

が開催された。

記念すべき100回を経て、更なる一歩を踏み出した今回の題材は、コクーン歌舞伎の伝説的舞台を映像化した

『NEWシネマ歌舞伎 四谷怪談』

満席の劇場には、作品の核心を解き明かすべく、本イベント最多登壇を誇る歌舞伎ソムリエ・おくだ健太郎が駆けつけた。

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映画伝道師が紡ぐ「シネマコネクション」の熱量

「シネマコネクション(シネコネ)」は、取材歴30年以上、年間100本以上の映画人にインタビューを行う松岡ひとみが企画・コーディネートする不定期開催のプレミアムイベントである。
コロナ禍で作り手と観客が触れ合う機会が激減したことを受け、「名古屋の映画文化を活気づけたい」という彼女の強い使命感からスタートした。

単なる上映に留まらず、監督や俳優をゲストに招き、プロならではの視点で映画の舞台裏を引き出すこの場は、映画ファンと映画人を結ぶアットホームな対話の場として、名古屋の地で揺るぎない支持を得ている。

 「すべての座席が特等席」シネマ歌舞伎という魔法

「シネマ歌舞伎」とは、歌舞伎の舞台公演を高性能デジタルカメラで撮影し、スクリーンで上映する、映画でも舞台中継でもない全く新しい映像作品である。

圧倒的な真正性
1秒間に60フレーム(60P)という、通常の映画(24P)を超える映像方式を採用することで、人間が実際に劇場で観ているかのような高いリアリティを実現している。

オペラグラスを超えた視点
劇場の最前列でも見ることができない俳優の微細な表情や、衣装の金糸の煌めき、指先の震えに至るまでを、大スクリーンのアップと立体音響で堪能できる。

『四谷怪談』串田和美監督が仕掛けた「現代への鏡」

今回上映された『四谷怪談』は、1994年に十八代目中村勘三郎と共に「コクーン歌舞伎」を立ち上げた串田和美が、自ら監督を務め再構築した一作だ。

「揺れる目」が語る内面
主演の中村獅童が演じる伊右衛門は、これまでの「ニヒルで堂々とした悪」ではない。
映像が捉えた、不安におどおどと「泳ぐ瞳」は、現代社会に生きる私たちの脆さや不条理を浮き彫りにする。

異色の群像劇
本作には、江戸時代の物語でありながらスーツ姿の「サラリーマン」が登場する。
彼らは黒衣のように道具を動かしながら、同時に今の私たちが未来から歴史を覗き込んでいるような、奇妙で生々しい「空気」として存在し、観る者を混乱と興奮の渦に突き落とす。

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伝統を「今」の言葉でデキャンタージュする歌舞伎ソムリエ

ゲストのおくだ健太郎は、名古屋市出身の「歌舞伎伝道師」だ。
名古屋の中学・高校から早稲田大学へ進み、アメリカ生活を経て日本の伝統文化の豊かさに目覚めたという経歴を持つ。
彼の肩書き「ソムリエ」は、かつてNHKの番組で、歌舞伎の食わず嫌いをなくすために「レストランのソムリエ」として作品の魅力を解説したことに由来する。

自らをさらけ出し、身振り手振りを交えて語るそのスタイルは、伝統芸能の敷居を軽やかに跨ぎ、古典の中に現代に通じる「魂の熱量」を見出させてくれる。

【動画公開】「ひとり歌舞伎」と、画面に映らぬ制作の執念



上記の動画には、おくだ健太郎がステージ狭しと動き回り、時には「ひとり歌舞伎」さながらのパフォーマンスで観客を魅了したトークの全貌が収められている。
動画でこそ感じることができる「熱量」を、どうか目撃してほしい。

「はじめての歌舞伎体験は、映画館でもいい」

と、歌舞伎ソムリエは語る。

劇場の暗闇で、音と光と共に浴びるお岩さん(中村扇雀)の悲しみと怨念。
それは、分断された現代社会を生きる私たちに、人との繋がりの大切さを問い直す体験となるはずだ。

上映期間中、ミッドランドスクエア シネマでは期間限定の和菓子も販売されており、五感すべてで江戸の闇と美しさを堪能できる。
動画でトークの熱量を浴びたなら、ぜひ映画館の大きなスクリーンで、この「誰も見たことのない四谷怪談」の目撃者、否、体験者になってほしい――。

松竹 シネマ歌舞伎ホームページ
https://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/
松岡ひとみのシネマレスト
https://cinemarest.com/
歌舞伎ソムリエ おくだ健太郎
https://okken.jp/
ミッドランドスクエアシネマ公式サイト
http://www.midland-sq-cinema.jp/top