2026年8月22日(土)、シネマスコーレ(名古屋市中村区椿町8-12アートビル1F)にて映画
『ロングホットサマーバケーション』
が初日を迎え、満席の劇場で熱狂的な舞台挨拶が開催された。
登壇したのは、インディーズ界を揺るがした怪作『野球どアホウ未亡人』『翔んだカップル大旋風』のヒットで邦画界の寵児となった小野峻志監督と、ラルゴ人姉妹の妹・ヴォーチェ役を演じた工藤スミレ。
酷暑の名古屋の熱気に負けない、あまりに不条理で、あまりに愛おしい「ひと夏の暴動」のレポートをお届けする。
安部公房と「暴動」から逆照射する共同体の境界線『野球どアホウ未亡人』『翔んだタックル大旋風』とスポ根モノで熱狂を生んできた小野監督が、今作で初めて挑んだのは「ホームドラマ」である。
しかし、そこは異端の鬼才。
日常のリアリズムには目もくれず、往年の「オバQ」や「ドラえもん」といった非日常が闖入するホームドラマの系譜を、現代の世相へと接続させた。
本作の着想源は、安部公房の不条理小説「闖入者」にある。
日ノ本亀子(志田こはく)と月代(堀春菜)の姉妹が静かに暮らす家に、不法移民のラルゴ人姉妹が乗り込んできて「家族になりましょう」と迫るドタバタコメディ。
小野監督はここに、現代社会に横たわる「共同体の線引き」という重いテーマを忍ばせている。
家族や国家という「囲い」の内側で楽しむ日々がある一方で、その外側にはクレシェ(佐久間祥朗)や押売りの少女(湊ゆず)のような孤独な異邦人が取り残される。
タイトルの「ロングホットサマー」とは、実は「夏休み」のことではなく、1967年にアメリカで多発した黒人暴動(Long, hot summer of 1967)を指している。
ラルゴ人姉妹が月代を椅子に縛り上げるのは、彼らが自らの生存をかけて起こした「暴動」そのものなのだ。
日ノ本姉妹の「黄色(黄色人種)」とラルゴ人姉妹の「青色」はウクライナ国旗から、月代がまとう「オレンジ色」は排外主義的な不満が溢れる現代の政治世相から着想を得ており、夕暮れのオレンジ色に染まる部屋の美しさには、姉妹の決別と喪失が重層的に表現されている。

映画初主演・志田こはくの「笑顔の魔力」と豪華キャスト陣多くの観客や批評家が「とにかく可愛い」と語るように、本作で映画初主演を飾った志田こはくのキュートさはスクリーンで爆発的な光を放っている。
彼女が演じる亀子は、ある不思議な出会いを通じて「線引き(境界)」を拒否し、一人の個人として流浪の旅へと踏み出していく。
その姿は、鬱屈とした現代に「戦争するより、楽しいことをしよう」という、あまりにも当たり前で清々しいエールを突きつけてくれる。
さらに、実力派の堀春菜が演じる姉・月代の抱える葛藤や、坂巻有紗演じる姉・フォルテが醸し出す「縦型ショートドラマ(こねこフィルム)」譲りの圧倒的なキャラクター性など、若き才能たちが五感に訴えかけるアンサンブルを構築している。
上記の動画には、シネマスコーレの上映直後、鳴り止まない拍手の中で行われた小野峻志監督と工藤スミレの爆笑トークの全貌が収められている。
とりわけ、ラルゴ人姉妹の妹・ヴォーチェ役を全身全霊で怪演した工藤スミレのトークは必聴だ。
アップアップガールズ(仮)を卒業し、本作で新境地を開いた彼女が、不法移民という突飛な役柄をいかにして「自分の一部」へと落とし込んでいったのか。
何故か一人だけ関西弁を操るという謎の設定の裏側、所沢市の観光大使を務める坂巻有紗との撮影現場での「ローカルトーク」の盛り上がり、ドラム演奏に取り組んだ苦労(?)なと、動画を観れば本作の解像度が10倍にも跳ね上がるはずだ。

劇場で音楽と映画の化学反応を浴びる幸せ本作は、映画と音楽の融合を目指す祭典「MOOSIC LAB 2026」に向けて制作された。
そのため、劇中ではキャストたちがとにかく歌い、踊る。
超新星シンガーソングライター・湊ゆずが書き下ろし、志田こはくが歌う劇中歌は、映画そのものを「53分間の極上のミュージックビデオ」として昇華させている。
映画館の暗闇で、大音量の音楽と共に浴びる、カラフルでくだらなくて、でも最後にはなぜか胸がキュンとする奇跡の物語。
『ロングホットサマーバケーション』とは、そんな作品である。
ちなみに、小野監督の着用しているTシャツに注目。
胸もとを飾るキャラは、所沢市の公認キャラ「トコろん」であることに気付いただろうか?
劇中の台詞で度々散りばめられる埼玉県所沢市への郷土愛が、こんな所にも表れているのだ。
……もう一度言う……「トコろん」である。トコロンではない!

「直感」で、お祭り騒ぎに飛び込め『ロングホットサマーバケーション』は、意味やコスパばかりを求める窮屈な世界に対する、極上の「無駄」と「悪ふざけ」を極めたエンターテインメントである。
まずは動画をチェックして、工藤スミレさんのチャーミングな笑顔と監督の「狂気」に触れてほしい。
そしてその足で、劇場へと駆け込んでほしい。
この夏、シネマスコーレに降り立った「常春の所沢」の目撃者になるチャンスは、今しかない――。



『ロングホットサマーバケーション』
が初日を迎え、満席の劇場で熱狂的な舞台挨拶が開催された。
登壇したのは、インディーズ界を揺るがした怪作『野球どアホウ未亡人』『翔んだカップル大旋風』のヒットで邦画界の寵児となった小野峻志監督と、ラルゴ人姉妹の妹・ヴォーチェ役を演じた工藤スミレ。
酷暑の名古屋の熱気に負けない、あまりに不条理で、あまりに愛おしい「ひと夏の暴動」のレポートをお届けする。
安部公房と「暴動」から逆照射する共同体の境界線『野球どアホウ未亡人』『翔んだタックル大旋風』とスポ根モノで熱狂を生んできた小野監督が、今作で初めて挑んだのは「ホームドラマ」である。
しかし、そこは異端の鬼才。
日常のリアリズムには目もくれず、往年の「オバQ」や「ドラえもん」といった非日常が闖入するホームドラマの系譜を、現代の世相へと接続させた。
本作の着想源は、安部公房の不条理小説「闖入者」にある。
日ノ本亀子(志田こはく)と月代(堀春菜)の姉妹が静かに暮らす家に、不法移民のラルゴ人姉妹が乗り込んできて「家族になりましょう」と迫るドタバタコメディ。
小野監督はここに、現代社会に横たわる「共同体の線引き」という重いテーマを忍ばせている。
家族や国家という「囲い」の内側で楽しむ日々がある一方で、その外側にはクレシェ(佐久間祥朗)や押売りの少女(湊ゆず)のような孤独な異邦人が取り残される。
タイトルの「ロングホットサマー」とは、実は「夏休み」のことではなく、1967年にアメリカで多発した黒人暴動(Long, hot summer of 1967)を指している。
ラルゴ人姉妹が月代を椅子に縛り上げるのは、彼らが自らの生存をかけて起こした「暴動」そのものなのだ。
日ノ本姉妹の「黄色(黄色人種)」とラルゴ人姉妹の「青色」はウクライナ国旗から、月代がまとう「オレンジ色」は排外主義的な不満が溢れる現代の政治世相から着想を得ており、夕暮れのオレンジ色に染まる部屋の美しさには、姉妹の決別と喪失が重層的に表現されている。

映画初主演・志田こはくの「笑顔の魔力」と豪華キャスト陣多くの観客や批評家が「とにかく可愛い」と語るように、本作で映画初主演を飾った志田こはくのキュートさはスクリーンで爆発的な光を放っている。
彼女が演じる亀子は、ある不思議な出会いを通じて「線引き(境界)」を拒否し、一人の個人として流浪の旅へと踏み出していく。
その姿は、鬱屈とした現代に「戦争するより、楽しいことをしよう」という、あまりにも当たり前で清々しいエールを突きつけてくれる。
さらに、実力派の堀春菜が演じる姉・月代の抱える葛藤や、坂巻有紗演じる姉・フォルテが醸し出す「縦型ショートドラマ(こねこフィルム)」譲りの圧倒的なキャラクター性など、若き才能たちが五感に訴えかけるアンサンブルを構築している。
【舞台挨拶動画】工藤スミレが語る、ラルゴ語に隠された「西武ライオンズ」の謎
上記の動画には、シネマスコーレの上映直後、鳴り止まない拍手の中で行われた小野峻志監督と工藤スミレの爆笑トークの全貌が収められている。
とりわけ、ラルゴ人姉妹の妹・ヴォーチェ役を全身全霊で怪演した工藤スミレのトークは必聴だ。
アップアップガールズ(仮)を卒業し、本作で新境地を開いた彼女が、不法移民という突飛な役柄をいかにして「自分の一部」へと落とし込んでいったのか。
何故か一人だけ関西弁を操るという謎の設定の裏側、所沢市の観光大使を務める坂巻有紗との撮影現場での「ローカルトーク」の盛り上がり、ドラム演奏に取り組んだ苦労(?)なと、動画を観れば本作の解像度が10倍にも跳ね上がるはずだ。

劇場で音楽と映画の化学反応を浴びる幸せ本作は、映画と音楽の融合を目指す祭典「MOOSIC LAB 2026」に向けて制作された。
そのため、劇中ではキャストたちがとにかく歌い、踊る。
超新星シンガーソングライター・湊ゆずが書き下ろし、志田こはくが歌う劇中歌は、映画そのものを「53分間の極上のミュージックビデオ」として昇華させている。
映画館の暗闇で、大音量の音楽と共に浴びる、カラフルでくだらなくて、でも最後にはなぜか胸がキュンとする奇跡の物語。
『ロングホットサマーバケーション』とは、そんな作品である。
ちなみに、小野監督の着用しているTシャツに注目。
胸もとを飾るキャラは、所沢市の公認キャラ「トコろん」であることに気付いただろうか?
劇中の台詞で度々散りばめられる埼玉県所沢市への郷土愛が、こんな所にも表れているのだ。
……もう一度言う……「トコろん」である。トコロンではない!

「直感」で、お祭り騒ぎに飛び込め『ロングホットサマーバケーション』は、意味やコスパばかりを求める窮屈な世界に対する、極上の「無駄」と「悪ふざけ」を極めたエンターテインメントである。
まずは動画をチェックして、工藤スミレさんのチャーミングな笑顔と監督の「狂気」に触れてほしい。
そしてその足で、劇場へと駆け込んでほしい。
この夏、シネマスコーレに降り立った「常春の所沢」の目撃者になるチャンスは、今しかない――。



コメント